必然的に次の目先は図書館となる
アズール王立図書館貴族。 貴族についての定義は三大王国によって異なる。アズール王国において貴族とは「王国が認めた領地の主、または軍事的・政治的功績があった者、または社会的上級立場の者」とされている。チャンルー
そういうものなんだと何度も言われ、領主であるべき教育や、歴代の領主がしてきた偉功を身体の芯まで刻み込まされた。幼少時はそれに関して何とも思っていなかったし、自分は領主の子だから当たり前とさえ思っていた。けれど、物心がつく頃に、ふとあることを思うようになる。チャンルー
けれどそれは無理なことで。不可能なことで。僕は、貴族。 世襲制がある以上、僕がどんな夢を抱こうとそれを実現することはできない。それに、本を強制的に剥奪されるということでもない。ただ単に、本の仕事には就けず領主としての人生を終えるだけのこと。読みたければ、暇なときに読める。簡略すればこれだけのことだ。マンダリナダック コルボ
僕の家が該当するのは最初のやつだ。王国が認めた領地の主。基本的に貴族は世襲制であり、よほどのことがない限り貴族から庶民へと降格することはない。歴史を振り返れば悪政を揮った暴君、残虐非道な領主はいるが。トクサン ダコタ
十五の誕生日。前世との邂逅。 前世での僕は、可笑しいかな、十五の誕生日に死んだ。 この世界で十五の誕生日に前世と邂逅し、その前世では十五の誕生日に死んだ。まるで、繋がっているみたいだ。魂としての繋がりか、別の何かか。意味はあるのだろうが、その答えを導き出す方法はない。ただ……僕の前世は、まさに僕そのものだった。それはもう、驚嘆に値すること間違いなく。何故なら死んだ場所は──図書館だったから。バリー
アシュラン家も、代々チェンネルを統治してきた貴族だ。 ゆえに、その長男である僕もゆくゆくは領主になると思ってきた。思わされてきた。バリー 財布 新作
そうだ。そうなんだ。 だから、別にこれでいいんだ。将来領主になって、お嫁さんもらって、子供つくって、生涯を終える。それでいいじゃないか。迷惑かけちゃいけない、僕の家族にも面子ってものがある。だからこれでいい。司書になりたいだなんて所詮は夢。夢は……夢だからこそ美しい。GORO'S
「本が……好き」 それは、とても自然なことだった。別段、身体が弱いとか友達がいなかったとかそういう類の理由ではない。本当に、小さい頃より本を読むことが好きだった。最初は絵本に始まり、徐々に家にある本を全て読破。必然的に次の目先は図書館となる。そのまま、十五歳になるまで領主という現実と平行して本を読み漁る毎日となっていた。 コルボ 取扱店 周りに本があることが、当たり前となっていった。 本が好きになった。 本に関係する仕事に興味を持つようになった。そして……司書という職業にいきついた。チャンルー ブレス
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」「――――ぁ
「これでも公爵家の長男ですから
「生徒会長に立候補する気はないか
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